2011年1月29日土曜日

平成23年度観光関連予算概要について

通常国会が始まるのにあわせて、観光庁の観光関連予算のページに来年度の予算概要が出ていますね。
今の仕事は観光庁とは関係が無いのですが、以前からの習慣で毎年チェックするようにしています。
今年一番の特徴は、これまで増加を続けていた観光関連予算がついに削減されたことではないでしょうか。
せっかくなので、予算金額についての考えをまとまりもなく書いておこうと思います。


予算総額が120億から100億へと、凡そ2割削減されました。
予算の中で一番大きなウェイトを占めていながら
費用対効果があいまいな広告宣伝費が
事業仕訳の結果を受けて、ガッサリ減っています。

次いで、地域のプラットフォーム作り事業の予算が
大幅に削減されてしまっています。

一方で、外国人観光客の受け入れと人材育成の予算が
昨年度よりも増額されています。

この予算要求から観光庁のミッションが
日本を外国人旅行客にアピールする認知の段階から
実際に日本に来たときに快適に過ごせるような
観光地のインフラ整備を重視するように変化したということ
ソフト面の整備として人材育成を重視したということへ
変化したのではないかと考えています。

また、観光地域づくりプラットホーム事業については事業仕訳にて予算を削減されたことから、
観光地整備を通じた地域コミュニティの活性化という地域振興は一旦諦めたということでしょう。

プロモーション費用の削減については、僕は賛成です。
政府がプロモーションを行うと、どうしても日本全国を平等に扱うようになってしまいます。
そうなると、訴求すべきポイントがぼやけてしまって効果を発揮しづらいからです。

外国人観光客が今の時期に旅行するとして、
「南国リゾートもスキー場も温泉もショッピングも樹氷も流氷もあるところ」

「冬でも暖かい南国リゾート」

「世界最高級の雪質のスキーリゾート」
のどこが一番印象に残らないでしょうか?といった感じです。

この国内を均一に紹介するためにポイントがずれてしまうというのは
日本に限らず、どこの国でも国家レベルでの観光PRで発生してしまう問題です。

であるならば、その予算を地域の観光産業振興にまわして、地域地域での広告宣伝を促す仕組みの方が
地域ごとに尖ったプロモーションが出来、訪日外国人を増やせるのではないかと思います。

これは、旅行者にとって「日本へ行く」と認識させてしまった場合、
一度日本に行った人は「また日本へ行くか、別の所へ行くか」と考えるようになってしまいますが、
「東京へ行く」と認識してもらう事が出来れば、一度日本に行った人についても「今度は大阪か上海か」
といった目的地を考えることとなり、日本へのリピート率が高まるのではないかと考えているからです。

これは、僕が旅行するときの認識ですが、「香港へ行く」と「中国へ行く」は別の目的地であり
「ロンドンに行く」と「スコットランドに行く」も別の目的地となっていることに由来します。


一方で、国が観光地域づくりの予算を減らしてしまったのは残念でなりません。
以前の仕事で少し関わった感想か行くと、地域づくりについては目的や予算の問題ではなく
現場への適用方法について問題がったためであり、やり方をかえれば効果は出ると思っています。

観光地域づくりのアプローチについては、コンソーシアム等に補助金を支払う方法ではなくて
地域でまちづくりビジネスを展開する企業に対し、地元コミュニティを活用する場合は
そのコミュニティ活用にかかる費用負担を弁済する等の方がよい気がしています。

というのも、これらのまちづくりについては考える人はたくさん居るのですが、遂行する人が足りていません。
船頭多くして船山へ登るの典型ではないかと考えています。
たとえば、地域の観光協会や商工会議所などが地域の観光産業の発展策を考えられたとして
その実現の主体は誰が行うのか、とくに費用と人材をどこが供出するのかが大きな課題となります。
行政も学者もコンサルティング会社も計画立案には協力してくれますが、実現のためのリソース提供はできません。

ですので、検討や協議の団体にお金を配るのではなく、実現のための具体的な計画がある団体に
集中して資金を供出することで効果的なまちづくりが期待できるのではないかと考えています。


僕の考えとして、日本のインバウンドに不足しているのは外国人に魅力的な「観光エリア」と考えていますので
今回の予算案は、すこし残念な結果となったものでした。

残念ながら日本の観光地は1日の滞在を前提として開発されてしまっています。
これは特に温泉街に顕著な状況で、せっかくの集客力を持っているのに2日目にはやることが無いのです。
日本で長期間滞在して楽しめるエリアというと北海道と沖縄、それに東京くらいです。
長期間滞在できる観光エリアを作ることで1旅客当たりの消費単価を増やすことができ
日本の観光産業の発展にもつながると考えています。
そして、そういった広域圏の開発は個々の企業では難しく、国の出番ではないでしょうか。

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